天使の羽が降る夜に


なんだろう・・・大天使様からお呼びがかかるなんて・・・。


私は大天使様のところへ行くと、

『未紅・・・お前に忠告しておかなければならないことがある』

少し怖い顔で言われた。

『お前が見張っていること・・・ばれているな』

ギク。

・・・・さすがです。大天使様。

「は、はい」

『まぁ、ばれたのは仕方がない』

あれ?そこは怒らないの?

『未紅。大事なのはここからだ。・・・その人間に特別な感情を持ってはならぬ』

え・・・・。

『お前の使命は魂を運ぶこと。人間と仲良くなることではない。・・・分かっているな』

・・・大天使様は分かってらっしゃる・・・私が舜に惹かれていることを・・・。

「はい・・・分かっています・・・ですが『分かっているなら良い』

分かってる・・・・分かってるけど・・・。

「気持ちを伝えてはいけないのでしょうか?」

『なんだと?』

「大天使様はお分かりなんですよね・・私が・・人間に惹かれていること・・・」

『・・・うむ』

「・・・私は天使です・・・本来ならありえないことではありますが・・・その、私の気持ちを彼に伝えるだけでも許してはもらえないでしょうか・・・」

『伝えるだけ・・・か?』

え?

『未紅。伝えて彼もお前に惹かれているとしたら、お前はどうする?』

え?

『それでも、お前はあの者の魂を運べるか?』

「魂を・・・運ぶ・・・?」

『そうだ。彼が亡くなるところを見て、お前はちゃんと彼にさよならを言えるのか?』

さよならを・・・・。

『それがきちりと出来るのであれば、伝えてもかまわん』

「大天使様」

『あとは・・・お前が自分で決めるがいい』

自分で・・・・決める。

「・・・・分かりました」

『話はそれだけだ。・・・・戻りなさい』

「・・・・はい」

私が舜と離れなければいけないことは、最初から分かっていたこと・・・・それはきっと変えられない・・・。じゃあどうする?このまま言わないほうがいいの?

いろいろ考えながら戻ろうとすると

「未紅」

誰かに呼び止められた。




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