天使の羽が降る夜に


「こんばんは」

次の日、夜10時20分。あいつが現れた。

「よお」

本当に来た!

・・・半分信じてなかったんだけどな。

「とりあえず、名前を教えて?」

「あ、未紅です。未来の未に紅」

「ふうん。名前とかちゃんとあるんだな。」

「はい。大天使様がつけてくれます」

「大天使?」

「私たち天使の親みたいな方です」

未紅はそう言うと近くにあった椅子に座る。

「何か飲む?」

「いいえ、天使は何も食べたり飲んだりしません」

「・・・寝ることってある?」

「基本的に眠ることもしませんが・・・」

「そう・・・」

「聞きたいことが沢山あるんだけど・・・」

未紅は俺を見るとため息をつく。

「私がしてしまった失敗なので・・・出来るだけお話したいと思います」

「うん、ありがとう」

ニコッと笑うと、ありゃ・・・赤くなってるし・・ははっ・・可愛いな。

「ところで、俺が死ぬのを変える事はできないの?」

「・・・はい。ノートに名前が載った人は必ずその日のその時間に亡くなります・・・。」

「そう・・」

ダメか・・・。

「私たち天使の仕事は亡くなった人の魂を大天使様に運ぶことなんです。その魂はあるルートに乗って大天使様より上にいらっしゃる神に届けられます。そこでまた生まれ変わるかどうかが決まります」

「なるほどね。輪廻転生ってとこか」

「そうですね」

「天使ってお前一人じゃないんだろ?」

「はい。とても沢山の天使がいますが、一人の大天使様に使える天使は20天使と決まっています。私の大天使様はまだ5天使しか生んでいません」

「天使は大天使が生むの?」

「そう言われていますが・・・本当のところは分かりません」

「なるほど・・・で、たまたま未紅が俺に当たったってところか」

「そうなります」

「大天使でも俺の命を伸ばすことは不可能なわけ?」

「・・・はい。申し訳ありませんが出来ない決まりになっているとか・・」

「決まり?」

「そうです」

決まりってことは・・・出来ることもあるってことか?






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