天使の羽が降る夜に
男同士



その日の夜、俺の夢に聖夜が現れた。

『・・・何か用があるのか?』

「・・・おう」

近くで見ると意外にイケメンだ・・・。

『門番を代わってもらってきた・・・時間は気にしなくていい。』

「・・・そうか・・・あ、俺敬語使ったほうがいい?」

一応年下だし・・・。

俺の言葉にちょっと驚いて

『いや、特別必要ない』

「分かった」

俺は深く深呼吸をしてから話をする。

「聖夜・・・さんは「聖夜でかまわない」

「あい・・・聖夜は未紅をどう思ってる?」

『ん?どう・・とは?』

「未紅が・・・好き?」

俺の質問にふっと笑い

『そんなことの話がしたかったのか?』

あきれた顔で俺を見る。

「・・・そんな事?・・・未紅には重要なことだと思うけど?」

ムカつく野郎だな・・・。

『重要?』

「そうだ。聖夜が見せた過去が本当なら・・・未紅と聖夜は夫婦になるはずたったんだろ?」

『そうだ』

「・・・ということは、未紅を好きだということだろ?」

聖夜は考えている。

『・・・どうだったかな・・・』

「は?」

『確かに未紅の事は嫌いではない・・・夫婦になることも考えていた・・・でも気持ちがあるか・・・と聞かれると・・・よく分からない』

「・・・分からない??」

無責任な・・・。

『・・・そう、分からない。・・・・だから舜と未紅がどうしてそんなに必死になるのかもわからない』

・・・その辺の心が、欠けてるのか?

『舜と付き合ってからの未紅は変わった』

「変わった?」

『俺には見せたことのない笑顔を見るようになった・・・・あれは好きだからなのか?昔俺と一緒にいたときもあんな笑顔は見せなかった』

そうか・・・。お互い好きだけど中途半端だったのかもしれないな。



< 54 / 106 >

この作品をシェア

pagetop