妹A ~5人兄弟+1~

しばらく下駄箱をぼーっと見つめて立っていた。



遥斗はきっとつかさが来るのを待っているのだろう。




ざわざわとした空気がスバルの体に絡み付く。



遥斗のラブレターを見つけた時から、波立つ心を抑え切れなくなっていた。



つかさを早く見つけたい。



その声が聞きたい。



その手に…触れたい。



遥斗より早く…



友達を裏切れないと思えば思う程、つかさを好きになっている自分を認識してしまう。



そして…すぐ打ち消す。



「…友達。ただの…友達」



意識して自分を納得させようとしていた。

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