トリゴニコス・ミソス

ヘルメス

ヘルメス【Hermes】

ラテン語だと「メルクリウス」、英語だと「マーキュリー」に呼び名が変わります。

牧畜の神、交通・道路の神、商売の神そして、泥棒の神とも言われています。

また、死者の魂を冥界に導くこともヘルメスの大切な役目の一つとなっています。

何で泥棒の神と言われるのか――。

それは、ゼウスがそういった子供を望んだから産まれるべくして産まれたんでしょうね。

生まれながらにして悪知恵に富み、利口だったヘルメスは産まれてすぐにアポロンの牛を盗み出してしまいます。

様々な知恵を駆使して誰が牛を盗んだのかわからないように細工しており、アポロンも最初は迷わされます。

でも、予言の神でもあるアポロンはヘルメスの嘘を見破ります。

それでも嘘を突き通すヘルメスにアポロンが腹を立てたのは当然の成り行き。

このときの二人の関係は最悪でした。

結局は、ゼウスがヘルメスを諭して牛をアポロンに返すのですが、アポロンの怒りは収まりません。

そこで、ヘルメスは自分が発明した竪琴を取り出し即興の歌を聞かせると、アポロンは大変感心してその竪琴を欲しがりました。

ヘルメスはアポロンに竪琴と音楽の神の名も譲ることでアポロンと仲直りします。

そして、ヘルメスはもうアポロンからは物を決して盗まないと誓い、二人は無二の親友となるんです。

ヘルメスが、アポロンを呼び寄せるときに竪琴を使ったのは、だからそういう理由だったりします。

そして、太陽をヘルメスが案内したのは、冥界への道案内という役目を持っていたからでもあります。

とりあえず、ヘルメスの解説は以上です。
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