トリゴニコス・ミソス
ジスコロス　ジティマ（難問）
「おっ、そろそろオリュンポスに着くぞ」

それは不思議な山だった。

遠くから見ている分には普通の山に過ぎないのだが、近づくにつれて、山全体を包む神秘的なオーラのようなものを感じて思わず鳥肌が立った。

「ねえ、パン君。ここって普通の山じゃないの？」

「違うぞ。ここは、ゼウスを中心に神々の多くが住んでいる場所だ。人間に好意的な神ばかりじゃないけど、基本的にみんないいやつだからそんなに怖がらなくてもいいぞ」

そうにっこり笑ってパンは言った。

そのパンの笑顔に勇気付けられて、美名もにっこりと笑い返した。

「さてと、とりあえずプロメテウスを探すか」

「探す必要はないぞ、ヘルメス」

そういった言葉の主は、とてつもなく大きな男だった。

ただ、その瞳には優しい光が宿り、美名たちの訪問を喜んでいるようだった。
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