【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち



校舎裏と言えば大体の人は影が覆う暗くてジメっとした、もしくはヤンキース(複数形ね)がタバコを吹かす残念な領域だと想像されがちだけどこの学校にはその固定概念は当てはまらない。


この学校の校舎裏は、そう。天国なのだ。


比喩じゃなくてね。


キチンと整えられた幾つもの花壇には名も知らぬ花々が咲き誇り、影など追い払うかのように燦々と日の光が浴びせられていたのだ。


……昨日までは。


今俺が目にしてる光景にその面影は既になく、花弁を失った花達が悲しげに茎を揺らすだけ。


そしてそれを見つめていた、左右二つの三つ編みを垂らした女生徒が俺に視線を移し。一つため息を吐いた。


「また、来たんですか?暇なんですか?友達いないんですね」


いきなり罵られたし。


「あなたを罵る私の身にもなってくださいよ。疲れるんです。主に顎が。だから早く消えてください頼みますから死んでください」


「いや、あのね俺をここに呼び出したのはお前でしょうが」


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