大切なもの

でも、そんなことしたら、

花梨に嫌われるかもしれない。


そう思うと、

怖くて、

手が止まる。


「んぁ…怜央、くん……」


!!!!!!


花梨の声で、

理性を取り戻した。


あのまま、

花梨の声が聞こえなくなってたら。

どう、なってたんだろう…



「ごめん…」


俺はそっと、

花梨から唇を離す。


息を切らしている、

花梨。

実は俺も、少し息が苦しかった。


「怜央くん…」


あー………

やっぱ、嫌われたよな。

駄目だ。

自分が、自分じゃなくなったみたいになった。


何なんだ??

あんなの初めて。





< 82 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop