大切なもの
でも、そんなことしたら、
花梨に嫌われるかもしれない。
そう思うと、
怖くて、
手が止まる。
「んぁ…怜央、くん……」
!!!!!!
花梨の声で、
理性を取り戻した。
あのまま、
花梨の声が聞こえなくなってたら。
どう、なってたんだろう…
「ごめん…」
俺はそっと、
花梨から唇を離す。
息を切らしている、
花梨。
実は俺も、少し息が苦しかった。
「怜央くん…」
あー………
やっぱ、嫌われたよな。
駄目だ。
自分が、自分じゃなくなったみたいになった。
何なんだ??
あんなの初めて。