ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 

 どこへも行くな、なんて。

 本当に、言いたかった人は亡く。

 でも。

 刹那は偽物でしかないわたしに『彼女へ』と同じように言葉をそそぐ。

「愛している……」

 儚い、ことば。

 だけども、もっと儚い存在の、刹那自身。

 深い湖のその上を、まるで薄氷を踏んで渡るような危うさで。

 それでも、カメラの前の彼は、ライオンのように堂々と胸を張っていた。



 切ないね。


 悲しいね。



 ……愛(いと)しいね。



 生きた演技、とか。

 感情とかって、本当は良くわからないけれど。

 刹那を思うと、胸の奥から湧き出してくる思いがある。

 それがあふれて、自然な涙になった。

 生まれた涙は。

 わたしの瞳にあふれて、前が見えない。

 

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