VS~Honey~

勢い良く玄関を開け、固まった。


「女の子がいる」

「マジだわ、誰? 君は」


玄関を開けたそこに立っていたのは、グレーの瞳のハーフのような顔立ちの男の人と、肩まであるパーマがかった黒髪長髪の男の人が立っていた。
二人の男性は驚愕と好奇心の瞳で見てくる。

あれ、この人たち。

私は二人に見覚えがあった。


「遅かったみたいだよ、鉄ちゃん」


いつの間にか後ろには晴紀の姿があり、諦めたような表情でため息をついた。


「え? まさか?」

「うん。その通り」


晴紀は私の表情から言いたいことを読んだ。
じゃぁ、やっぱりこの二人は。


「Marsのメンバーだ」


晴紀がそう告げると、長髪の男はズイズイと玄関内に入り、ニヤニヤしてくる。


「どうして女の子がここにいるのか説明してもらおうかな~」


長髪の男は好奇心旺盛な瞳で私を見回した。

その不躾な瞳に戸惑っていると、晴紀は私の肩を掴み、そっと家のなかに押し戻す。
そして玄関の二人にも中に入るよう伝えた。


「とりあえず、二人とも入って」


頭上からは晴紀の小さいため息が聞こえた。



< 100 / 211 >

この作品をシェア

pagetop