VS~Honey~


「ただいま」


誰もいないのだけど、そう呟かずにはいられない。
そして私はそのまま2階の自分の部屋へ向かった。


「うぁ~、やっと着いたぁ」


部屋に入るなり、思いっきりベッドにダイブする。
布団からはフカフカでお日様の匂いがした。

そういえば、月に数回ハウスキーパー(家政婦)さんに掃除を依頼してるとか言ってた。
今回も私の帰国に合わせて掃除をしておいてくれたのだろう。埃臭さなんて全くない。家の中もピカピカだった。


「気持ちいいなぁ~……」


ベッドの気持ち良さと帰国の疲れから目が重くなってくる。
時差ボケというやつだ。
そういえば、学校は明日からだ。
編入試験を受けた高校の制服や教材関係は既に届いているはずだ。
目線だけ動かして部屋の中を見渡すとクローゼット前に段ボールが二つ重なっていた。
きっとあれだろう。
ということは、もうゆっくりして大丈夫だ。

チラッと腕時計を見るとお昼の1時を指していた。


うん、いいかな。いいよね。
ちょっとだけ、このままで----……


ウトウトと眠りに身を委ねる。




しかし、私は気付いてなかったんだ。
そんな私を見つめる人がドアの所に立っていたなんて………
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