後悔の後・・
夢をみるたび、あのときの自分に後悔する・・


千佳はあれからどうしてるのかな・・退院したと聞いた・・大丈夫だろうか・・


一目でも会いたい・・


だがまた会えば、不幸にしてしまう・・

おれの所為で二度も事故にあったんだ・・


俺から会いにいけるわけないよな・・





**********


仕事を終え、自宅に帰る・・・すると、留守電に気がついた・・


爺さんからだった。


内容は千佳が海外に行くことになったと・・

それを聞いたとき頭が真っ白になった。




爺さんなりに俺にあきらめろとの意味で教えたのかもしれないが・・・


千佳が遠くにいきもう会えないかもしれないということが頭を支配した。





俺は気づけば、家を飛び出していた・・行き先は爺さんのとこだった・・

千佳が今どこにいるかを何とか教えてもらおうと思った・・・



だが留守だった・・・おふくろから空港にいったとき聞き、急ぎで向かう。




どこ行きの便かもわからず必死に探すと・・・





爺さんが泣きながら握手をしている姿が・・相手は千佳・・傍にはあの幸谷と高谷もいた。






千佳は握手を終えると、あの高谷という男に支えられるように二人で歩き出していた・・俺は声をかけることもそばにいくことも出来なかった・・


千佳の幸せそうな顔をみた途端、あの男と並んで歩く姿を見た途端、自分が惨めに思えた・・・

俺にはできない千佳の表情・・今の自分の姿・・・あわてて駆けつけたため俺はいま工場の汚れた作業着のままだったためか・・・惨めだった。


今の俺に・・千佳を引き止める権利なんてない・・


俺は千佳が小さくなるまで見つめていた・・


千佳・・あの男といれば幸せになるんだよな?



幸せになれよ・・



千佳の姿が見えなくなると俺はそのまま家に帰った。

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