後悔の後・・
「奥さんや両親には気の毒だな・・けど・・俺が千佳に頼むことなんてできない・・今・・国外にいるらしくて・・俺には何もできない・・・」



「・・・すまない・・こんなこと頼める立場じゃないんだけど・・そうだよな・・無理に決まってる・・」

まことはうなだれた。



「離婚するのか?」


「・・・・もともと冷え切った状態で・・玲子と肉体関係はなかったけど、頻繁にあってたんだ・・あいつからしたら浮気みたいなもんだし、何の恨みも無い千佳さんに酷いことの片棒かついでたんだ・・実家のためもあったとしてもいいわけにすぎない・・こんな俺に引き止めるしかくなんてないよ・・けど・・子供は・・できれば生んで欲しいと思ってる・・会わせてもらえなくてもいい・・ただ無事に生んで・・育ててほしくて・・・俺・・今さらだけど・・後悔してるんだ・・千佳さんにしたことも・・あいつのことちゃんと大切にしなかったこと・・」


それを聞いてるとなんだか自分を見てるようだった。


「俺と似てるな・・妻を大事にできなかったなんて・・」



「そうか・・・」


俺たちはしばらく無言だった。



「・・・もし・・千佳に会えたら一応頼んでみる・・だめもとだけどな・・」




「ありがとう・・」




まことは薄く笑った。
< 177 / 289 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop