面倒くせぇ旦那様は幼なじみ
「うぅっ…うぇぇんっ!!」


『どうしてこう面倒くせぇかな、お前は』




新婚当初、私は毎朝泣いていました。




仕事に行く旦那のスーツを引っ張りながら。





『毎朝毎朝、いちいち泣くな!』


「だって半日離れ離れだよ?」


『普通の夫婦はそういうものだ』


「わーっ!パパは寂しくないんだぁぁ!!薄情者ぉぉ!!」




私が旦那でもウザいと思う私。



でも、一日中一緒にいられた学生時代に慣れてしまっていたから


離れ離れが寂しくて仕方なかったんです。





『早く帰ってくるから』


「じゃあ5分後に帰ってきてね」


『…アホは寝てやがれ』


「浮気してやるぅぅ〜」



『はいはい。そうしなさい』



バタン、と閉まってしまうドア。



私は朝7時の玄関のドアが大っ嫌いです。





『まだ泣いてる』



玄関マットの上でイジけていると必ず一度、戻ってきてくれる旦那。




『いってらっしゃいは?』

「い゛って…らっはい…」

『寂しいのはお前だけじゃないんだからな』




朝だけは優しい旦那なのです。



やっぱり弱点は涙みたいですね。
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