《短編》幼馴染のその後に
好きなんだ
迎えた天皇誕生日。


あたしは脇の下にあるものの数値を見て、ショックを隠しきれなくて。



38,5度


余計に体が重くなる。


本当に、呪われてるのかと思うほどに、最悪なことが続く。


好きと気付いたと同時に、失恋して。


おまけに熱まで出して、貴重な休みが無駄になって。



明日はクリスマスイブ。


お隣と繋がる窓のカーテンは、未だに締め切ったまま。


悲しくて、情けなくて、泣きそうだ。



♪~♪~♪

瞬間、携帯が間抜けな着メロを流す。



着信:七海


―ピッ…

「…ヘイ。」


『やっほ!
何やってんの?』


七海の嫌に明るい声に、だけどあたしは余計に頭が痛くなって。



「…死んでる。」


そう答えるのが、精一杯で。



『…意味わかんない。
てゆーか、これからそっち行くから!』


それだけ言った七海は、あたしの答えも聞かずに電話を切った。


“待って!”なんて言う隙も与えないほど、彼女の行動は早い。


携帯を放り投げ、ひとつため息をついた。


熱にうなされてる脳みそじゃ、何も考えられなくって。


結衣とタケルの話なんかされた日には、あたしはどうすれば良いんだろう。


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