イジワルな俺様の秘密ライフ


した覚えのない百面相がお気に召さなかったようで、

少し気味悪がりながらの連行のようです。



失礼な。

あんたなんかケバ子だ、ケバ子!!



でもその女の子の行く手を阻むように、ナツが彼女の前に立ちふさがった。



「ちょっと!ここで話せばいいじゃない……きゃっ」

「ナツ……!」



ケバ子はそんなナツを腕で払って、

その勢いでナツは机と椅子にぶつかる。



そして私は、ケバ子の周りに、クラス中の女子がいることに気付いた。



ナツもそれに気付いたみたいで、ガタガタガタッと音がして、無言で体勢を立て直す。



……ナツ、ごめん……いいよ、もう……

私、行くから。


ナツの怪我するとことか、見たくないし……

だから……



「キェェェェェェイ!!」


え?



その奇声を発したのが、

できたてホヤホヤの我が親友、ナツだというのを、

私は信じられない想いで見ていた。



彼女はクラスメイトたちを、そのしなやかな脚でなぎはらい、

次々に打ち倒していく。



ハイ!ハイ!という掛け声のような言葉が教室に響くたびに、クラスメイトがひとりまたひとりと床に沈んでいった。


< 72 / 290 >

この作品をシェア

pagetop