最初で最後

…待て、今のは聞き間違いじゃないよな？
恋？恋って言ったよね、こいつ。
恋って、あの鯉…？いや、恋…。恋…。


「恋！？」

「おせぇよ」

て言うか、こいつ恋って言葉なんて知ってたっけ？
と言う失礼な発言は控える。いつも、「この人好き！愛してる！」
何か言ってる恵里が、恋に落ちたと言った。（めずらしいな）

…青い春と書いて青春？…違うな。今は秋だ。
清秋か…？…それも違う。


「…誰に」

「えーと…武下先輩と仲良い林俊哉（はやし　しゅんや）先輩」


林俊哉。
あたしの近所に住んでいて、あたしと犬猿の仲だ。
あたしの中でどうしようもなくウザイ男子トップ3に入る程だ。

かなり、ウザイ。そして、ガキっぽい。


「俊、哉…？っやめとけ、あんなガキ…！」

「は？」

「思い出すだけでイラついて来る…！」

「あのー、光さん？お知り合いで？」