光る道
「そんなに好きなら… 何で離れたの? 何で連れ戻さないの?!」




奈々は、泣きながら言った。




「… 相手の事を思って、離れる時もあるんだよ…」



俺は静かに言った。




「何よ。もの分かりのいい事言って! そんなの本当に好きじゃないんだよ! 私には分かんない!!」




そう叫んで、奈々は走って出ていった。





「連れ戻す、か・・・」




若い頃だったら、やったかもしれないな…





でも… 俺といる事で、あいつが困るなら、つらい思いをするのなら…




離れることで、守りたいと思った・・・








「痛ててて…」




翌朝、胃の痛みで目が覚めた。



最近、胃の調子が悪い。頭も重い。        



でも仕事を休むわけには、いかない。




鉛のように重い体を無理矢理おこし、今日もマネージャーの車に乗った…





< 128 / 228 >

この作品をシェア

pagetop