光る道
あれから、お母さんとは会ってなかったけど、何度も差し入れを置いていってくれていた。




「何か申し訳ないね。いつも頂いてばかりで…」




「いいんじゃない? 好きでやってる事だし。
持ってくるのは、全部夕希に渡せって言うし…
お袋、俺よりお前の方が好きみたいだよ。」




布団から顔だけ出し、薫が話す。




「えっ? だって… 一回しか会ってないんだよ?」



「うちは兄貴と俺だけで、女の子がいないからさ。
娘が出来たみたいで、嬉しいんじゃないの?」




「えっ?・・・娘?・・・」




「あっ、いや… あー、眠い!」




そう言って、薫は布団に潜った。





本当に薫はお母さんに、私のこと何て言ってたんだろう…




一回しか会ってない私を、こんなに可愛がってくれたり、味方になると言ってくれたり…




何か・・・




期待してしまう・・・・




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