光る道
「もしもしっ! あぁ…。 えっ? いいよ!来なくて! ちょっと!!」




薫の声が段々大きくなり、最後は携帯を持ったまま、固まってる。




「どうしたの? 誰?」



私が声をかけると、彼がつぶやいた。




「お袋が、うちに来るって… あと30分で着くって言って、切れた…」




「えっ? えぇーっっ!!」




私は慌てて起き上がった。



さっきまでのラブラブモードは一気に消え、二人とも大急ぎで服を着る。





「何で急に来るの?」



私が顔を洗いながら、叫ぶ。




「分かんないよ。 あの人の行動は、突然だから。」



着替えた薫は、のんびりソファーに座ってる。




「30分って… メイクする時間ないよ… 」




「いいじゃん。家なんだから。 服だけ着てればいいでしょ。」



薫がニヤッと笑う。




「もう! 何でのんびりしてんの? 顔洗った? とりあえず… 片付いてるかな…」



私だけアタフタしてる。




「大丈夫だって! スッピンも可愛いし、部屋も綺麗にしてるから。」




薫が後ろから、抱きしめてくれる。




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