光る道
「あはっ・・・ 何か今日は優しいねー。」




空気を変えようと立ち上がり、彼に背を向けた。




「強情だな・・・」




背中が温かい…




今度は背中から抱きしめられた。




「無理するなって言ったろ? これで、お前の顔見えないから…
素直になれば?」




もう・・・・




ダメだ・・・・




涙が、とまらない…




「やっぱ、泣き虫だな。」


優しい声…




私は振り返り、彼の胸に顔をうずめて泣いた。




これまで我慢してたものが全てあふれて、子供のように泣きじゃくった…




私が泣きやむまで、薫はずっと抱きしめていてくれた。






「ごめん… シャツ、びしょびしょになっちゃった…」




ようやく泣きやんだ私が言うと、




「いいよ。お前が洗濯してくれるんだろ?」



と、笑う。




「そうだね、私の仕事かぁ…」




私も笑った。




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