光る道
「・・・・・・・・」




あほらしくて、言葉が出ない。




私の睡眠時間を返してほしい。




「なぁー。何かあった? 俺、なんも出てこないわ…」




「さぁ。何もなかったんじゃない?」




グラスをゴシゴシ洗いながら答える。




「…なんで怒ってんだ?」


「別に…」



「酔っ払って記憶なくしたこと、お前もあるじゃん。」



「だから!!
 …怒ってなんかないよ…
自分がバカみたいって思っただけ…
私、出かけるから。」




そう言って、薫の顔も見ないで部屋を出た。




ほんと、バカみたい。


自分だけドギマギして…




あいつ、酔うと誰にでもあんな事するのかな…











「まいったな… 怒らせちまったか…」




頭をかきながら、つぶやいた薫が、ベランダから見送ってくれている事にも気付かず、私は車を走らせていた…




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