光る道

彼の視線

「夕希、今日、分娩予定の人いるから、よろしくね。」



夕方仕事に行くと、同僚の涼子に声をかけられた。



「うん、様子見てくるね。」



分娩室へ近づくと、中から赤ちゃんの心拍数をキャッチする、モニターの音が聞こえる。





あれ?… リズムが、遅い…



急いで中へ入る。産婦さんへ、笑顔で挨拶しながらも、すぐに目はモニターへむかう。



数値は正常に回復していたが、数分前は異常に下がってる。



「陣痛の痛みは強いですか?」



お母さんに不安を与えないよう、笑顔で聞く。



「うーん、まだがまん出来ない程じゃないですけど…
あっ、またきた…」



そういって産婦さんは、顔をしかめ、フーッと呼吸法を実践する。



また数値が下がる…



「あのー… 出血してるみたい…」



陣痛のピークを過ぎた産婦さんに言われ、ナプキンを見せてもらう。


マズイ・・・



尋常じゃない出血の量…



「ちょっと、出血多いから、先生に報告してきますね。」



患者さんの前では、絶対慌ててはいけない。



私はゆっくりと部屋を出て、電話へと走った。   

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