光る道
「あの… 女だと貸してもらえないんですか?」



女でまいったと言われれば、そういうこと?



「いや。実は…。 新しく家を買って、ここを賃貸にする予定だったんだ。 でも不動産屋とトラブッて、白紙になったんだよね。」


本田直人は淡々と話す。



「でももう、貸すと言ってしまったし。相手が男なら、同居もありかなって思ってたんだ。しかし女性とはね・・・」




何という展開…。


でも持ち主が住み続けるのなら、私がここに住むのは、不可能だよね。





「状況はわかりました。じゃあ、この話はなかったという事で…」



そう言って立ち上がった。


帰ろうとする私の背中に



「ちょっと待って!」と声がかかる。




「住むとこ探してるんだよね?」



「まぁ。そうですけど…」


「そちらも急いで探してると聞いたし。 もし君がよければ、一緒に住まない?」




「へっ?」



またもや、間抜けな返事。


「家賃も光熱費もいらない。その代わり、掃除と洗濯してくれない? 食事は不規則だからいいや。 こっちの都合でこうなったんだし・・・ どう?」  

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