君の名前


渡さない、普通なら久瀬が言うべき台詞だろう。



「はぁー・・・」


俺は、誰もいない廊下にしゃがみこんで、声を出して息を吐いた。


今日一日、ものすごく疲れた気がする。


昼の呼び出しも、放課後のそれも、俺を潰すのには十分だった。


しばらくそのまま、廊下の隅に固まっていた。



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