零~ZERO~
いつもの様に、病院に行ったある日、その時、何故だかぼーっとして、診察券を受け付けに渡さないで、名前を呼ばれてしまった。

待合室で、自分の番を待っていた。

何か様子がおかしい。
胃がムカムカする…。
受け付けの人に、
『気分が悪いから、トイレに行く。』
と告げた。


もの凄い吐き気に襲われ、便器に顔を突っ込むが、何も出ない。食べていないせいもあるが。
そしてまた、手足の痺れが襲う。


もう、何なの。この身体…。

その日は、ベッドに横になりながら診察を受けた。


その前も、自宅でずっと気分が悪くて寝込む事が、度々あった。
こんなに苦しいなら死んだ方がマシ。

よくある不安発作と医者は言った。
だけど、この苦しみは、なってみないと分からないものだ。


調子がいい時は、"普通"の人と何ら変わりは無い。
出掛けたり、家事だって出来る。
だけど、出来た次の日は、必ず反動がやって来る。
寝込んで、何も出来なくなる。

それを、怠けている。甘えている。と、よく言われるが、私は腹がたつ。

自分で自分を、コントロール出来ない。
それが鬱なのに。
やりたくても出来なくて悩んでいるのは、他でもない自分なのに。
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