神様は気になさらない(KK2)

想い

あのときの、子供。


ルイの話を聞いて、チャーリーは、ルイと以前出会っていたことを思い出した。
苦しそうに顔を赤くして、ベッドにうずくまって、必死に泣き声を殺していた、幼い子供。
教会で再会した時から、チャーリーはルイの違和感を感じ取っていた。
あの子供がルイならば、やはり、ルイはチャーリーが思っていた通り、ということになる。


それなら、なぜ、ルイが神父の格好をしているのか。
ルイは決して、神父になどなれるはずがないのに。


(そんだけ、えげつない方法をとるようになったってことかな。教会さんも)


ルイはきっと、チャーリーを消滅させるために、教会が派遣したのだろう。
それは、ルイの、チャーリーを辛そうに見る視線だけで、わかった。


(ほんまに、嘘のつけない、心のきれいな子や)



< 24 / 57 >

この作品をシェア

pagetop