神様は気になさらない(KK2)

警戒

雨上がりの、教会。


早朝、チャーリーは教会の前を通った。
雨の匂いを含んだ、けれど爽やかな朝の空気。
だが、チャーリーがここに来たのは、そのためではない。

いやな気配。

何かが、この街に入り込んでいる。
チャーリーに向けられた、敵対心。
それは、無視できないほど、チャーリーにとって不快な感覚だった。


静かに、教会の扉を開ける。

祭壇の前に立っている、ルイと、位の高い司祭の装いをした、恰幅のいい白髪の男。


「チャーリー、さん?」


振り返ったルイが、チャーリーを呼ぶ。
かすかに怯えたような、目線。


「おはようございます。神父様」


とっさに、チャーリーはルイを名前で呼ぶことを控えた。

ルイの隣にいる男には、ルイと自分の関係を知られたくはない。
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