神様は気になさらない(KK2)

晴れ

夜明けに姉を牢獄から攫い、両親のいる村外れで別れた。


「ごめんね。お姉ちゃん」

「なんで謝るの?ルイ。いつだって、あなたは何も悪くないでしょう?私も、父さんも、母さんも、とてもあなたを愛しているわ」


姉は、晴々と頬笑んでいる。


「だから、いつでも帰ってきていいのよ」

「落ち着いたら、ふたりでご両親に挨拶に来ますよって。ただ、この地方からは、早めに引っ越したほうがいい。もう少し南のほうに、開放的ないい街があります。そこなら、教会の力も弱いし、安全に暮らせるはずです」

言いながら、チャーリーが、金貨の入った袋を渡す。


「これは……」

「ルイをもらっていく分の、お詫びとでも思ってください」

「そんな。助けていただいた上に」

「それじゃ」

「またね。お姉ちゃん」

ふたりは姉に手を振って、その場から、消えた。
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