神様は気になさらない(KK2)
「そんなん、会ったときに言うたやん。べっぴんさんやって」

「そんなに最初から?」

「だから、女の子なのに神父さんなんて、どんな理由があるんかなー、って思っとった。あの時からかわいかったけど、やっぱり女の子は、こうやって綺麗なドレス着てるほうが、しあわせそうでええな」

「私が幸せなのは、あなたがいるからですよ。チャーリー」

「……ほんまに、どこまでかわいいこと言うてくれるんやろ」


チャーリーが、ルイにまたキスをする。


「な、ルイスモールっていうのは、あの男の息子の名前なんやろ?ほんとは、なんて名前なん?」


好奇心を隠そうともせず、聞いてくるチャーリーの明るい双眸。


「ルイーダ。ルイーダ・エリオットです」

「ルイーダちゃんかぁ。名前も、きれいやな」

「そんな」



空から見れば、ルイとチャーリーもまた、世界中にいる恋人たちのひと組にすぎないのだろう。

恋人の素性が吸血鬼だとしても。

こうして晴れた空で祝福する神様は、きっと、気になさらない。



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