【短編】ウラハラ
お揃いの青のストライプの縁取りのメッセージカード。
「返してください!」
手を伸ばすと柏木さんはひょいとそれを交わした。
バランスを崩した私は柏木さんを押し倒すような体勢になって彼の胸に手をついた。
柏木さんの顔が目の前にある。
「やだ。俺がもらったものだから」
「あげてませんから!」
それよりいったいいつの間に私の机を開けたの?
「俺にくれるつもりだったんでしょ?」
そうだよ。
あげるつもりだった。
あなたが両手に抱えきれないチョコをもらって帰るのを見るまでは。