Milky Way
リビングを出て伸ばされた手。

迷わず手を伸ばす。

パパには秘密。

手を繋ぐとシンははにかんだように口角を上げる。

私も嬉しくなって微笑んだ。


「あの女…本当にいなくなったんだね。」

小さな声で話すシン。

「うん。」

私の返答に彼女はまた微笑んだ。

(あ…この顔好き。)


―カチャ

私の部屋の扉の閉まる音。


途端に…


「きゃ!」


繋いでいた手を強引に引っ張られて、気付くとシンの腕の中。

その勢いでベッドの上へと2人してお尻を付いた。


「シン、どうしたの?」

「琴…好きだよ。」

「っ!」

「好き。」

頬が熱を持つ。

私はシンの背中をギュッと掴んで頷く。

「琴、夢じゃ…ないよね。」

少し体を離して視線を合わせて囁く彼女。

「…うん。ほら、夢じゃないでしょ?」

私はシンの頬に右手を添えると彼女は自らの手を重ねた。


「うん…本当だね。」


シンの瞳から涙が零れ落ちる。


「シン…」


私は彼女の頬に顔を近付けてその涙を拭う。

「ずっと一緒にいるから、泣かないで?」

そんな言葉が口を付く。

私の姿を求めて…確かめて涙する目の前の愛する人。

堪らなく愛おしい。

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