Milky Way
数日後。

「アンナー！」

一人のクラスメイトがアンナを呼んでいる声が聞こえる。

アンナに視線を向けるとパタパタと教室の後ろ扉へと小走りに駆け寄っていた。


（あ！！）


その先にいたのはシンだった。

バスケ部の連絡のようだ。
聞こえなかったけどそんな気がする。

体を正面へと戻した。
シンの急なクラスへの訪問になぜか私の心臓が早まっていく。

私は相当彼女と話したいらしい。

あの日、私を甘やかしてくれた大人なシンにすっかり懐いてしまっているみたい。



「ことー！」

「え！？」

目の前で名前を呼ばれて即座に顔を上げた。


「羽島先輩が呼んでるよ。」

そう言われて視線を扉へ戻すと笑顔でこちらを見てるシンと目が合った。

私は席を立ち、どこか照れながらパタパタと小走りで向かう。

その姿はさっきのアンナとは違って忠犬のようだったに違いない。
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