本屋の花子〜恋をしたら読む本〜

「何か?」


狭い事務所に入って行った花子を繁々と座ったまんま見上げたまっさん。

いきなり椅子から飛び降りて。


土下座しやがりました。


「ほんまっ!すいませんでしたっ」



花子は呆れてぽっかぁんになりました。


て。


違うなぁ表現が。



花子思わずまっさんの前に正座をしてまっさんに言いました。



「そんな事しないでよ。嬉しかったんやで」


「小池さん・・・」


「あっでも勘違いしたらアカンよまだ返事は出来ないしっか職権乱用やし」


「あっ。忘れてました違うんですよ」


何だか正座のまんま向き合って格好の良く無い2人。



事務所の防犯カメラが見てますよ。


「立って下さいよ」


「はいっ」


まっさんはゆっくり立ち上がるとかなり恥ずかしそうに笑っていましたぁ。


で、用事は何?



「あの。読み聞かせの時の手当てが出てるので。渡そうかと」



そう言って、まっさんは白い封筒を2つ花子にわたしました。



「何で2つも?」


「あっ。もう1つは足代です皆からのカンパですよ」



花子は家がかなり街まで遠いから何時も愛車のジョセフィーヌで行かなくてはいけません。


飲みにでも出たら運転代行を必ずご利用ですよ。



他の交通機関がありませんのでね



「まっさん今回は代行代は遠慮しておきます何時もなんで」

花子。


知ってるんよね。



カンパと称して何時もまっさんが出してくれてる事ぐらい。




「じゃぁ僕の読みたい本をそれで買って来て下さい読んだら小池さんに譲りますから」



はぁ。



まっさんよそう言えば花子が受け取ると思っているの?



「遠慮しませんよ」



花子。また泣きそうです。



まっさん。何読みたいの?

< 131 / 185 >

この作品をシェア

pagetop