本屋の花子〜恋をしたら読む本〜

そんな事をしていると。



「今晩は。小池さん」



聞き慣れた漫才師風のしゃべり方で声をかけられた。


「あっ。まっさんいらっしゃいませ。ほんで、何を探しに来たん?」


「あの神永習の『超能力探偵八雲3刊』ある?」



「あるよ。買うの?小池持ってるから貸してあげるよ」




「えっ。何で貴女が持ってるの?読みそうに無いから」




「小池はジャンル問いませんからね、面白いと思ったら読むよ。明日Sマートに持って行って何時もの場所に置いておきますよ」




「ありがとう。じゃあエロい雑誌でも買ってかえろ」


まっさんはそう言って雑誌売り場に行った。




花子気になって仕方ないから天井の吊りポップを吊るすふりをして、雑誌コーナーの隣の実用書コーナーに脚立を持って行ってポップ越しにまっさんを見た。








あっ!

まっさんが立ち読みしていたのは。



『危険!メタボ対策!貴方も簡単に痩せられる』

なキャッチが書いてある健康雑誌。


ごめんよ。


まっさん覗いたりして。



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