本屋の花子〜恋をしたら読む本〜


ん?


どれどれ?



花子はこの後に待ち構えている運勢を念じました。



「ダーリンに会いたいです」



花子は目を瞑りそっとページを開いてみました。

怖い。



目を片目だけで開けて答えを見てみたよ。




「残念だと、珈琲カップの底の砂糖が言っています。」



 
んー?



何や意味が解りませんよ。


しかし大流行している一冊。




これに決めました。


さて、可愛くラッピングをしなければ。




文学書の棚の補充をしていた久美子ちゃんに声をかけ、花子はバックヤードにラッピングしに入りました。




ラッピングをしながら気になり出した【魔法の傘】




花子も買おうかなと考えたものの止めておきましたよ。



まだまだ欲い本がありますからね。









本屋の仕事も終わり。


イソイソとカラオケボックスぴんぽんぴんに到着。




「おばちゃん。今晩はぁどこやろ?」




「いらっしゃい。桃の部屋よ。あっちょっと待って」




さすがに常連Sマート部隊。


何も言わなくてもおばちゃんはご案内してくれましたよ。



「ん?」



「これ花子ちゃんに」




おばちゃんが持って来たのは赤いチャイナドレス。




「えっ?なんで?」



「皆、コスプレしてるから、こ着て来いって店長さんが」




おばちゃんはにゃにゃと不気味な笑顔ですよ。



花子、渋々チャイナドレスに着替えて桃の部屋へ向かいました。




恥ずかしいなぁ。



まっさんアホか!


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