本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
久美子ちゃんは後ろのコーナーにある作業台で返品する雑誌の付録を外していた。



例えばノンアンの付録は雑誌と分けて雑誌だけ返品。


付録は店内処理で大体は捨てるのですが


色んな付録があってポーチや靴下ビーチサンダルや鏡etc.



そんないい感じの付録は店のイベントなんかの時に配りますよ。


「何があったんですか?」


久美子ちゃんはキラキラした目で花子を見ますよ



花子は背が高いから久美子ちゃんは上目遣いになりまして


あっ久美子ちゃん睫毛長いし



「花子。先程素敵な王子様に恋しちゃいましたよぉどぅですかぁ」



「良かったじゃないですかぁ。で誰です?お相手は」


久美子ちゃん食いつきましたよ


「うふふっ太郎ちゃん」



「太郎ちゃん?もしかして、さっきのお問い合わせの人ですか?」



久美子ちゃん鋭いですよ。

「わかるぅ〜。素敵な人だったよぉ」



久美子ちゃんのまだも山積みになっている付録外し作業を手伝いながら花子一部始終話ししましたよ。



「という訳で綺麗になりたいのよ。整形出来ないから色付ける顔に」



「いいですよ。一緒に頑張りましょう」



はいっ


久美子先生


小池花子は一目惚れしてやる気満々です。

頑張ります。


その日久美子ちゃんは大きい鞄から手の平サイズの白い化粧ポーチを出して花子にくれました。


「これで、お化粧の練習して下さいね」


なんと優しい。


「いいの?ありがとう。明日やって見るから使い方教えてくれるかな?」


そうなんです。


それから一年間花子は久美子ちゃんに女磨きの指導を受けたのです。






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