本屋の花子〜恋をしたら読む本〜

「小池さぁん!小池ちゃぁんー」


清々しい気持ちを払拭する漫才師な声。



振り向くと偉い目にあいそうや。







「小池さん。帰るんですか?」


花子はひたすら歩きながら答えました




「うん。もうアンタにつきあってたら疲れるし」



居酒屋を出た『松本の会』何時ものように、皆が向かうのは[カラオケぴんぽんぴん]



花子は二次会に行かないで帰るのに



居酒屋を内緒で出たはずなのに


まっさんよ。



子供みたいに追っかけてくんなよ


でも少し嬉しかったりするのはなんでかな?



「そんな、宴会幹事長がいないと俺また変な事とか女子にあんな事とかするのが心配じゃないの?」



そう言ったまっさんが何やら可愛かったりしたんで。



二次会のカラオケに行く事にした花子。



実は、まっさんが言った「女子にあんな事」が気になったのが本音の様な気もする。


「小池さん。星子ちゃん歌って」




まっさんは花子が歌う松下星子の「お大事なアナタに」が好きらしい。



花子は仕方なく歌った。


花子が歌う間じゅうニコニコと嫌らしい目付きで微笑むメタボ親父。



まっさんよ。


可愛いぢゃないか。



花子が歌い終わった時、まっさんは花子に聞いて来たよ。


「小池さん。僕に何を歌ってもらいたい?」


まっさんて、メタボで亀の様な顔をしているわりに。


お歌は上手に歌うのよ。



花子は思わず、まっさんに言った。


「車の中で隠れてキスをしようがいいなぁ」



この、リクエストが数時間後に悲劇を生むとは思わずに・・・



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