Slow Magic ―俺を変えてくれた人―



「仕方ねぇから行くだけだぞ」



「はいはい!わかってるよ!隆介は優しいんだから」





俺と卓弥は、バイクにまたがりエンジンをかける。




俺達は学校でも目立っているらしい。



俺はどうか知らないが、卓弥は女にモテる。



誰にでも優しく、気さくだから。


それが原因で彼女ともケンカになるんだろうけど。





俺と卓弥は正反対のようだが、どこか似ていて、一緒にいて居心地が良かった。



似ているのは、自分で言うのは恥ずかしいが、真っ直ぐな性格と純粋さ・・・・・・かな。





誰からも正反対だと言われるのは外見。



卓弥は、絵に描いたようなさわやか好青年。


さらさらの少し茶色い髪。


人懐っこい笑顔。




俺は黒髪でたいしたセットもせずに伸ばしっぱなしだし。


笑顔なんてなかなか自然に出るタイプじゃない。




俺にはないものをたくさん持っている卓弥。



誰にでも優しく、素直な性格が、人から好かれる理由だと思う。



もちろん女子からモテるのも、そこだろう。





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