君と過ごせる最期まで



目頭に熱が籠もる。徐々に流れる涙。



あたしはそのまま砂浜に、両手をつき、泣き喚いた。



通行人の怪しむ目も気にせずにひたすら…泣き喚く。



「…たし、云ってない」



あたし、云ってないのに
稔にまだ“好き”って、云ってないのにぃ…ッ!



「なんで、消えちゃうのさ…馬鹿ぁ…!」



稔…ずるい。



1人だけ、好き勝手言っちゃってさ?
あたしには何も言わしてくれなかったよね。



あたしだって、云いたい。叫びたい。



「大好きぃ…!」



稔…稔…。勝手に逝かないでよ。



あたし…稔がいない毎日なんて考えられないよ…まだ。



「幽霊だってなんだっていい。どんな形でもいいから…傍にいてよ…稔」



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