うそつきなライオン


「みぅ?」


ハッとして我に返る。


「あっ‥ごめ、すぐ作るね!」


慌てて調理を開始しようとしたあたしを、千雨はふわりと抱きしめた。


「がんばらなくて、いーよ‥」


吐息混じりの千雨の声が、少し寂しそうに聞こえた。


「俺が、いるじゃん‥」


キュ、と腕に力が込もる。


「うん‥」


あたしも、そっと千雨の腕を掴んだ。

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