狼さんの好きな人
写真の行方
風呂から上がり部屋に戻ろうとしていた時、ふと中庭を見たら…


枢が、お嬢を後ろから抱き締めていた。


「ラブラブだなぁ、あの二人。」


枢って、あんなことできるようになったんだ…。


ずっと、陰から見てるだけだったのに…


いつの間にか、成長したんだな。


一人前の男になっちゃって。


「直也坊っちゃま。お飲み物をお持ちしました。」


この子は、最近入ってきた一番若い家政婦サン。きっと、お嬢と同い年くらいじゃないのかな?


別に、家庭の事情で家政婦として働いてるワケじゃなくて…


好きな男がココにいるから働いてるんだって、別の家政婦サンから聞いたことがある。


実家は、めちゃくちゃ裕福なんだって。学校にも行かないで、よく親に許されたなって思うよ。


その好きな男は誰かって?


そんなのすぐにわかるよ。


「ありがと。ねぇ、中庭を見てみなよ。」


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