フォトグラフ
★ five scene 『「またね」の三文字』
「きりーつ。れーい。ちゃくせきー。」
ガタガタと椅子や机の音がなる。
「今日の休みは~、安藤が風邪、山中は~、」
はいはーいという声と共にバタンとドアが開く。
急いできたのか髪がボサボサになっている。
「こら山中!また遅刻か!」
「いゃ、妊婦さんが困ってて…、」
「五点!お前は何人に生ませる気だ!」
ハハハッとクラスメート達が笑う。
妊婦に合う確率高スギー、と周りから囃(はや)される。
「すいません、寝坊しました。」
素直に寝坊と言ってしまうのは、彼の性格を表している。
「気をつけろよ!
あんまり遅刻すると部活にこさせないからな!」
えぇーと少年は叫んだが、
当然だ、と担任であり、少年の部活の顧問である佐々木は教室から出ていった。
「どんま~い、勇人(ゆうと)!」
山中少年の隣の席の男子が少年の肩にポンと手をおいた。