気まぐれ猫
気まぐれ猫
 一週間経っても二週間経っても夕璃が学校に来ることはなかった。
「まさか……な」
「まさか」
「でももしかしたら……な。俺、聞いてくるよ」
 そう言って宏樹がまた隣のクラスに聞きに行ってくれた。
 戻ってきた宏樹の顔は、諦め、だった。「……転校……だって」
 俺はまた走った。
「先生!夕璃が転校って!」
「またお前か。ああ、三崎は転校したよ。この間の日曜日に学校に来てな。高校入ってから今まで住んでた家は叔母夫婦の家なんだ。実家が結構遠くてな。それでお兄さんが亡くなったのを機にそっちに戻るって。お兄さんの墓もあっちだしな」
「……そうですか」
 職員室を出ると三人がいた。
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