地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
白い光のおかげで、かろうじて親父の表情が伺える。


その顔は――自信に溢れ、何かを企んでいるようなものだった。



「親父…?」

「……………」


“まぁ見てろ”と目で訴えてくる。




「皆さん。こちらをご覧下さい」


パチンと親父が指を鳴らす。







「えっ………うそっ……!?」

「ありえない…っ……」

「これ本当か?」





スクリーンに何かが映し出された。




その“何かが”わからず、俺は会見用にセッティングされたテーブルを飛び越えて…スクリーンを見えるところまで行く。





「は……?」




驚愕しすぎて口を開け、目を見開いた。








「皆さんご覧いただけましたか?これはすべて本物の証拠資料です」



冷静で怒りを含んだ硬い親父の声が会場中に響き渡る。
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