地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ

†真の閻魔大王


「楠社長――…もう終わりにしましょう。ホテルのロビーに警察の方々が待機しておられますから……」


「……………」



下を向き、拳を握りしめたままの楠社長。



あとは警察に任せよう。



と考えていた時……





「いやよっ……わたくしは悪くないっ!!必要のないものを排除して何が悪いのよ…っ……」



綺麗にセットされた髪を掻き乱す。

結い上げられた髪は崩れ……所々落ちて来た。



「どうして……陸さんが手に入らないの?……今までは何でも手に入ったのにっ…!!」

「………ッ……」


ギロっと睨みつけられた。


人間とは思えない形相。



――――妖怪並だ。
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