地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
うん。しかめっ面は良くないね。

シワを伸ばしてあげよう!


顔に手を伸ばし、眉間を触ろうとした瞬間――…



パシッ…!




左手首を掴まれた。



「え………?」

「なんでこんなことした」

「…何が?どうかしたの?」

「なんで自ら…自分を傷つけんだよ!?」

「え……あっ………」


自分の左手首を見ると――…赤い血が乾いてこびりつき、流れた跡も乾いて残っている。



忘れてた。


呪符に染み込ませるために、自分で手首を切ったこと。




「……こんなに切っといて、何楽しげに片付けなんかしてんだよ」



うん。確かに深く切っちゃいましたね。



「でも血は止まってるから大丈夫じゃない?」

「あ゛ァ゛!?もっかい言ってみろ」

「う゛………すみましぇん」



ギロリと睨まれて、とっさに謝った。
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