地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
それからはほとんど記憶がない。
覚えてるのは、してる最中に何度も名前を呼びあってたことと…
一度意識を飛ばしたあたしを部屋に運んで、戻ったらまた何度もお互いに求めあったことくらい。
最後は、大好きな温かい陸の腕に包まれて眠りに落ちた。
ぐっすりと眠る杏の頭を撫でる。
額にはうっすらと汗が残っており、まだ頬と体はほてっていた。
「ごめんな………無理させて…」
生まれたままの姿の杏を抱き寄せる。
無意識に杏が擦り寄って来た。
「可愛い………」
杏が許してくれるまで、抱くつもりはなかった。