この世界で二度きみを殺す
「今日は本当、心配させちゃってごめんね」


「へっ?何でそーちゃんが謝るの!?
ちさとこそ本当に本当にごめ、」



小さな唇にそっと手を当てる。


僕の指先は、氷のように冷たいのかな。


それとも熱湯よりも熱いのか。


…後者かな。



手が熱い人は、その分心が冷たいって、言うもんな。



「…昔、ちさとがよく花摘んで来たの覚えてる?」



ちさとが無表情に近い顔つきで、唇をほんのり開いて頷く。


急に何の話をし出すのか、といったところだろう。



「あれ、凄く嬉しかったな。
…そうだ、今日花屋でも行かない?
一度着替えてからだし、夕方か夜になっちゃうけど」



そして、ちさとが好きなのを家に飾ろう、そう付け加える。


すると言葉の意図が読めていなかったちさとの顔が、一気に華やいだ。
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