ツンデレ的天然ちゃん かける バイト仲間の年上王子っ!
それぞれの胸の奥のキモチ




駅の中を忙しく行き交う人々。



だけどあたしの時間は、春の青空のように、


ゆっくり
ゆっくり

進んでいる。




「それじゃ、行きますか。
…お姫様。」


成巳先輩が笑顔であたしの手に触れる。





成巳先輩、少し髪が伸びたみたい

あっ、香水変えたのかな?



少しだけ、離れていたのに。

成巳先輩は大きく変わっていた。



だけどそれは外側だけ。






「なーんてな。

誰がお前何かに姫なんつーかよ。」

「ぬぁ!?」


中身ももうちょっと優しく変わってれば良かったのに…



「いいもんっ!
あたしなんてお姫様になれないから、あたしもう帰る!!」

ぷぅーっと膨れた頬を両手で押して潰す成巳先輩。


「ったく素直じゃねぇな。

ほら。」

あたしに手を差し出す成巳先輩。


ドキッとなる心臓を抑え、あたしはそっぽを向く。




「はぁ…
しょうがねぇな。」

「ひゃっ!」


突然繋がった2人の手。



あたしの顔は熱くて。

心臓はうるさい。



それからお腹の辺りがキュンとなる。



器用に人と人の隙間をすり抜けながら、駅の出口へと向かう。


その間、あたしが誰ともぶつからなかったのは、きっと成巳先輩のお陰。



こんな気遣いが、女の子は嬉しい。





「アリガト…」

ボソッと呟いた。


「ん?」

「何でもないよーだ。」


成巳先輩が妙に幼く、そして可愛く見えた。





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